整髪料

日本霊異記』に、行基元興寺法会を営んでいると、悪臭がするので、調べてみると、ある女性が頭髪に脂を付けていることがわかったので、追い出したことが見える。

ヘアースタイリング剤の使用はヘアースタイルの流行と密接に関係しており、その時代の流行ヘアースタイルに適した新規な剤型や技術が開発されてきた。また性別や世代間で求めるヘアースタイルや仕上がり感などのニーズや嗜好が多様化しているため、多くの種類の剤型が市場に存在している。

整髪剤の機能として、

  1. 毛髪を固定、セットする“整髪”を重視したタイプ
  2. 毛髪の光沢・感触・質感などを改善する“トリートメント”を重視したタイプ
  3. 上記二つの両方の機能をもったタイプ

に分けられる。

またこれらの機能は整髪成分(固形ワックス、液状油や合成高分子など)の種類や配合量によって調整される。男性特有の剤型としてはポマード、チック、ヘアーリキッドなどがあり、女性特有の剤型としてはヘアーオイル、セットローション、ヘアースプレーなどがある。また男女共通に使用されている剤型としてはヘアーウォーター、ヘアーフォーム、ヘアージェル、ヘアーワックスなどがある。最近のスタイリングの特徴は、10代~20代の若年層を中心にヘアウォーターを使って寝癖を直し、ヘアーワックスでボリュームのあるヘアースタイルを形成する方法、ヘアーアイロンコテを用いて巻き髪を形成した後に、ヘアースプレーで巻き髪を保持するスタイリングが増加している。また近年、女性のヘアースタイルにおいては、ヘアーカラーやパーマネント・ウェーブを行うことが日常的となり、髪のダメージ意識が非常に高くなっている。これらの施術は化学反応を伴うために、髪の化学構造が変化し、髪が本来もっている機能や質感が失われる。そのため、傷んだ髪をケアし、光沢、質感やまとまりを改善するヘアートリートメント効果が重要な機能となっており、例えば「洗い流さないトリートメント」の使用が増加している。